2021/6/21 レクチャーシリーズ Vol.13:安田登先生

現実科学ラボレクチャーシリーズは、現実科学ラボを主宰する藤井直敬が毎回様々なバックグラウンドを持つゲストを招き、「現実とは」という一貫したテーマについて考えるイベントです。2020年6月よりスタートした本イベントは、2021年6月に記念すべき一周年を迎えました。

Vol.13となる今回のスピーカーは、伝統芸能、論語、身体など、幅広い守備範囲をお持ちの、能楽師の安田登さんをお招きします。また、講演後のパネルディスカッションには、スペシャルゲストとして東京大学 教授の池上高志さんもお迎えします。奮ってご参加ください!

日程:2021年6月21日(月) 19:00 ~ 20:30
参加費用:1,000円
申込方法:Peatixページからお申し込みください。申込完了後、本イベント用のzoom用リンクが届きます。
共催:デジタルハリウッド大学

 

【 終了 】2021/5/20 レクチャーシリーズ Vol.12:加藤直人先生

現実科学ラボがお届けする「現実科学ラボレクチャーシリーズ」。
12回目となる今回は、バーチャルSNS「cluster」の開発で有名な、クラスター株式会社の加藤直人氏をお招きします。
また、対談ゲストとして、第一回レクチャーシリーズにも登場して頂いた、東京大学教授の稲見昌彦氏にも登場していただきます。
Twitterのハッシュタグは「#現実とは」です。ぜひ、みなさんにとっての「現実」もシェアしてください。

開催日時: 2021年5月20日(木) 19:00〜20:30
参加費用:1,000円
視聴専用のセミナーになるので、お客様のカメラとマイクはオフのまま、気軽にご参加頂けます。
共催:デジタルハリウッド大学

【登壇者】

加藤直人氏
加藤直人
クラスター株式会社CEO
京都大学理学部で、宇宙論と量子コンピュータを研究。同大学院を中退後、約3年間のひきこもり生活を過ごす。2015年にVR技術を駆使したスタートアップ「クラスター」を起業。2017年、大規模バーチャルイベントを開催することのできるVRプラットフォーム「cluster」を公開。現在では、イベントだけでなくオンラインゲームを投稿して遊ぶこともできるバーチャルSNSへと進化している。経済誌『ForbesJAPAN』の「世界を変える30歳未満30人の日本人」に選出

稲見昌彦氏
稲見昌彦
東京大学 総長補佐・先端科学技術研究センター教授 1972年生まれ。1999年、東京大学大学院工学研究科博士課程修了。電気通信大学知能機械工学科教授、マサチューセッツ工科大学コンピューター科学・人工知能研究所客員科学者、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授等を経て2016年より現職。人間拡張工学、エンタテインメント工学に興味を持つ。超人スポーツ協会発起人・共同代表。著書に『スーパーヒューマン誕生』(NHK出版)がある。

藤井直敬
藤井直敬
医学博士/脳科学者
株式会社ハコスコ 代表取締役
東北大学特任教授/デジタルハリウッド大学大学院 教授
一般社団法人 XRコンソーシアム代表理事
東北大学医学部卒業、同大大学院にて博士号取得。1998年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)McGovern Institute 研究員。2004年より理化学研究所脳科学総合研究センター所属、適応知性研究チームリーダー他。2014年に株式会社ハコスコを創業。
主要研究テーマは、BMI、現実科学、社会的脳機能の解明など。

【イベントレポ】2021/4/20 レクチャーシリーズ Vol.11:今井むつみ先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第11回となる今回は、2021年4月20日、慶應義塾大学教授の今井むつみさんをお迎えしました。また後半のパネルディスカッションでは、特別ゲストとして能楽師の安田登さんもお迎えしました。本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

現実科学とは

現実科学ラボ・レクチャーシリーズは、デジタルハリウッド大学さまの提供でお届けしています。

今井むつみさん

1989年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。
1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得
現在―慶應義塾大学環境情報学部教授
専攻―認知科学、言語心理学、発達心理学
著書―『英語独習法』岩波新書、『ことばと思考』岩波新書、『 学びとは何か――〈探究人〉になるために』岩波新書、『 言語と身体性』岩波講座コミュニケーションの認知科学第1巻( 共編著)、『ことばの発達の謎を解く』ちくまプリマー新書、『 親子で育てることば力と思考力』筑摩書房、『 言葉をおぼえるしくみ――母語から外国語まで』ちくま学芸文庫( 共著)、『新人が学ぶということ――認知学習論からの視点』 北樹出版(共著)ほか

安田登さん

下掛宝生流能楽師
1956年千葉県銚子市生まれ。高校時代、麻雀とポーカーをきっかけに甲骨文字と中国古代哲学への関心に目覚める。 能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を、東京(広尾)を中心に全国各地で開催する。 著書に『あわいの力 「心の時代」の次を生きる』、シリーズ・コーヒーと一冊『イナンナの冥界下り』(ともにミシマ社)、 『能 650年続いた仕掛けとは』(新潮新書)、『あわいの時代の『論語』: ヒューマン2.0』(春秋社)など多数

 




現実は「いま、ここ」だけなのか?

「いま、ここ」だけが現実なのか?という問いかけから講演は始まりました。認知心理学、発達心理学、言語心理学などを専門とする今井さんは、HMと呼ばれる患者の症例を手がかりに考察を始めます。

患者HMは、てんかんの治療のために27歳の時に両側の内側側頭葉の一部分を切除した結果、重篤な記憶障害に陥ってしまいました。16歳以降の記憶が失われ、さらには彼は新しい出来事を全く記憶できなくなってしまったのです。その日の曜日、朝食のメニュー、10分前に何をしていたか……。何度会っても新しい人は彼にとって初対面であり、自分の知らぬところでいつの間にか年老いている自分の容姿にも首をかしげる日々です。

ここから今井さんは、記憶は「現実」の認識に不可欠だろうと言います。私たちの「現実」は、「いま、ここ」だけでなく、過去・現在・未来が渾然一体となったものなのです。

ことばと記憶

人は他の動物には見られない高い言語能力を持っています。言語によって人は「いま、ここ」にないものについて語り、考えることができる、さらには抽象的な概念を自分の身体の一部とすることができるのだと今井さん。

そしてことばは、記憶と強い関係を持っています。今井さんが紹介した古典的実験では、ある絵を見せたときにことばでどのようにラベルづけするかによって、その後思い出した際の絵の傾向が変化するというもの。

他にも、実験実施者が自動車事故の映像を提示した後「自動車同士がXXしたときに、車は大体どれくらいの速さで走っていましたか?」と参加者に質問をします。その際、XXに「激突した / smashed」「衝突した / collided」、「どんと突き当たった / bumped」、「接触した / contacted」、「ぶつかった / hit」といった様々な語を入れたところ、「激突した / smashed」と言われた参加者はより大きなスピードを回答する傾向が見られました1

同じ映像を見たにも関わらず、記憶を呼び出す際に使ったことばが、その記憶を歪めてしまうことを示唆する一例です。

ことばは世界の何を切り取っているのか?

今井さんは、「ことばは、私たちの連続的で多層的な感覚世界の中から、一つの次元のみにスポットライトを当てて分節する」と語ります。これはどういうことなのでしょうか。

かつて今井さんらのチームが行った実験2では、上の図のようにあるオブジェクトを見せて、「同じ」のはどれかと参加者に尋ねるというもの。結果から分かったのは、それを「物体」として見た場合には、人は形と機能(shape item)に着目する一方で、それを「物質」として見た場合には素材(material item)に着目して選ぶのだそうです。

このように、目の前のモノは形、色、テクスチャなどの多感覚の特徴を持つ一方で、ことばは特定の一つの感覚次元にのみ注目し、分類します。つまり、ことばは「同じ形、あるいは同じ素材」のような複数の異なる感覚次元の概念を表すことをしないのです。

さらに今井さんは、「人は多感覚を合わせた全体の類似性で『同じ』を決めておらず、対象をどう名付けるか(モノの名前か物質の名前か)が『同じ』を決める前にくる」と続けます。つまり、人は何かを見たときに「これはモノだから(物質だから)、ここに着目すれば『同じ』がわかる」と発想するのです。これは、ことばが「同じ」の判断基準を作っているとも言えます。

「色」は抽象的な概念

私たちの世界にはさまざまな「色」が溢れていますが、こうした色の名前による分類は言語によって大きく異なります。波長の連続的な変化をことばが切り取ることで、あたかもそれぞれの色が個別に存在しているかのように感じられるのです。

例えば、日本の信号において「黄色」と呼ばれている色は、オランダ語においては「オレンジ」とされています。しかも事前に提示した黄色系統の色を思い出して選んでもらう実験を行う際、信号機という文脈を取り去って(色だけを抽出して)色を提示すると正しい回答が得られる一方で、信号機のフレームに入れて色を提示するとオランダ語話者はオレンジに、ドイツ語話者は黄色に寄った色を選びやすくなるのだそう。

現実は「いま、ここ」を超えて記憶と不可分であること、私たちは言葉のフィルターを通じて世界を認識しており、その認識は記憶とことばが絡み合う主観的な経験であるということ。このように講演をまとめて、今井さんのレクチャーは締めくくられました。

今井むつみさんにとって、現実とは

いま自分が現実(リアル)と思っていること

 

 

【イベントレポ】 2021/3/22 レクチャーシリーズ Vol.10 :斎藤環先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第10回となる今回は、2021年3月22日、筑波大学教授・精神科医の斎藤環さんをお迎えしました。本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

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現実科学とは

現実科学ラボ・レクチャーシリーズは、デジタルハリウッド大学さまの提供でお届けしています。

 

斎藤環さん

1961年、岩手県生まれ。精神科医。 筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、 筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・ 青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・ 支援ならびに啓蒙活動。著書に『社会的ひきこもり』、『 中高年ひきこもり』、『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)、『オープンダイアローグとは何か』、『「 社会的うつ病」の治し方』ほか多数

 

コロナ時計への同期と時間感覚の喪失

「震災は時間を分断したが、新型コロナウィルスは時間を均質化した」と斎藤さんは語ります。COVID-19の発生以降、人々の興味と感心がコロナの動向を中心にシンクロすることで、全世界が「コロナ時計」とでも言えるような時間の流れに同期することになりました。


斎藤さんはこの「コロナ時計」に関する個人の感覚として、時系列に関する記憶が曖昧になってしまうことを述べました。COVID-19以前の記憶との距離感を掴めないだけでなく、様々な記憶が遥か遠くに感じられ、さらにはCOVID-19以降の時系列も正確に掴むことが難しい。

こうした時間感覚の混乱の原因として斎藤さんは、感染者数、死亡者数、ロックダウンなどの有用緊急の情報が溢れたことで、無駄な、無意味な、非生産的な「不要不急」が失われたことを指摘しました。

私たちのリアルは、活動(何かをすること)機会の多様性が生み出す複数の「時間線」に支えられています。無数の時間線が埋め込まれているフィクション(映画や漫画や小説など)を鑑賞すること、ペットを飼い、植物を栽培し、趣味に打ち込むこと、そしてそれらについて「おしゃべり」をすること。そうした内向きの不要不急の充実が、私たちの時間感覚、そして現実感覚にとって必要なのではないでしょうか。

人は人と出会うべきなのか

斎藤さんは2020年5月に、本章と同題の記事を公開しており、非常に大きな反響を呼びました。

ここでは、対面することの価値や是非について

  • 対面は暴力である
  • 対面は欲望である
  • 対面は関係である

という三つの観点から考察がなされました。

対面は暴力である

ここでいう暴力とは、「他者に対する力の行使」のこと。斎藤さんは社会の至る所に暴力があると言います。

例えば人と人とが出会うこと。会ってしまえばその後は楽しいのに、会うまでが憂鬱な気持ちになるのは、出会うことの暴力性が持つ一端かもしれません。また、人と人とが集まると、そこには抑圧を生み出す「場」や「空気」といった暴力が発生します。この意味では、誰かに対する優しさも、時として暴力になり得るかもしれません。

こうした観点から考えると、対面が生み出す臨場性は暴力の一種であると考えられます。臨場性という暴力には、人々の関係と欲望を賦活し、多様な意思を取りまとめ、決断と行動のプロセスを一気に前に進める力があります。いわば「話が早い」のです。しかし、そうした「暴力」や「効率」に苦痛を感じる人が一定数いることを自覚することが重要だと斎藤さんは指摘します。人類の歴史上、最も対面の機械が剥奪された今は、対面に対するスタンスの多様性を考え直す絶好の機会なのかもしれません。

対面は欲望である

先に、臨場性には人々の欲望を賦活する力があると書きました。斎藤さんはこれについて、「引きこもっている人たちは欲望が極めて希薄である」と説明を付け加えます。コロナ禍のステイホームが続く中で多くの人が訴えている無気力状態も、これと同様の症状なのかもしれません。

斎藤さんは、「欲望はその人の内面を掘り返して出てくるものではなく、他者や社会からもらうものである」と語ります。欲望を回復するために、他者と会い、交流し、社会と接点を持つことがますます重要になってくると考えられます。

対面は関係である

最後に、関係の観点から対面の考察がなされました。斎藤さんは自説として「対話と関係性が成立するためには、非対称性が必須である」と言います。そしてその非対称性は、リアルな身体を持ち寄ることが最も容易で効果的なのです。このような身体的差異の効果は、当然お互いの身体を知覚することのできる対面によって最大化されます。こうした意味で、関係の構築には臨場性が不可欠なのです。

Open Dialogue

Open Dialogue(開かれた対話)とは、フィンランドで1980年代から実践されている統合失調症のケア技法・システム・思想のことです。危機にあるクライアントの自宅に治療チームが赴き、危機が解消するまで毎日会い続けます。入院治療と薬物療法を可能な限り行うことなく、治療のプロセスにクライアントや家族を巻き込み、臨床家たちは個人ではなくチームで働くのが特徴です。

Open Dialogueで「してはいけないこと」とされているのは、説得、議論、尋問、アドバイスなのだそうです。これはつまり、相手の主観(リアル)を尊重し、自分の主観(リアル)と交換するということ。斎藤さんは「対話というのは、リアリティを上書きできる方法」だと語り、講演を締めくくりました。

Open Dialogueに関する関連文献

まんが やってみたくなるオープンダイアローグ https://www.amazon.co.jp/dp/4260046772/ref=cm_sw_r_tw_dp_W39472CME7J0TPXP9GA4

オープンダイアローグとは何か
https://www.amazon.co.jp/dp/4260024035/ref=cm_sw_r_tw_dp_CEPHN87WYW7SVT6783EW

斎藤環さんにとって、現実とは

触れられないもの

【イベントレポ】2021/2/22 レクチャーシリーズ Vol.9:福原志保先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第9回となる今回は、2021年2月22日、アーティストの福原志保さんをお迎えしました。後半のパネルディスカッションでは、スペシャルゲストとして、メディアアーティストの八谷和彦さんにも議論に加わっていただきました。

本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

https://reality-science009.peatix.com/?lang=ja

現実科学とは

現実科学ラボ・レクチャーシリーズは、デジタルハリウッド大学さまの提供でお届けしています。

 

ゲスト紹介

福原志保氏
2001年、セントラル・セント・マーチンズのファインアート学士過程を、2003年ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのインタラクション・デザイン修士課程を修了。 同年に、ゲオアク・トレメルとともに英国科学技術芸術基金のパイオニア・アワードを受賞し、バイオプレゼンス社をロンドンで設立。 その後、2007年より活動拠点を日本に移し、アーティスティック・リサーチ・フレームワークBCLを結成。 また2014年より、テクノロジーと工芸、身体性と審美性と物質性の関係が、我々の意識にクリティカルに介することに注目し、生活をとりまくあらゆるモノに知能を与えるための新技術とプラットフォームの開発に従事している。

八谷和彦氏
メディア・アーティスト.佐賀市出身.1966年4月18日(発明の日)生まれ.九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業.個人TV放送局ユニット「SMTV」,コンサルティング会社勤務を経て現在に至る.作品には《視聴覚交換マシン》や《見ることは信じること》などの特殊コミュニケーション・ツール・シリーズ,ジェット・エンジン付きスケート・ボード《エアボード》や《オープンスカイ》など機能をもった装置が多い.メールソフト《ポストペット》の開発者でもあり,自身が取締役を務めるポストペット関連のソフトウェア開発を行なう会社「ペットワークス」では,現在Twitterクライアント「PostPetNow」を開発中.

アートは…気づきを与える

COVID-19が世界的猛威を振るった2020年。様々な未来があり得る世界で、私たちは2019年には想像もしなかった「とんでもない未来」に行き着いてしまったようです。そのような不確定で不安定な現在、分からないことで溢れかえっている世界に、どのような「答え」を見出していけば良いのでしょうか。

福原さんは、アートの持つ性質を以下の三点のようにまとめました。

  • 議論のツール:議論を促し、様々な意見を生み出す。多様な問いかけで沢山の答えを生み出す。
  • 社会的インパクトについて探求する:バイオテクノロジーやインターネットのように、指数関数的に発展するテクノロジーによる社会へのインパクトについて考察する。
  • 気づきを与える:技術発展における倫理問題などについて「変わった方法」で気づきを与える。

これから起こり得る様々な未来について、アートは問いかけ、多様な答えを生み出し、気づきを与える力を持っています。福原さは、がこれまで行ってきた「問いかけ」の活動を通じて考えてきた「現実」について紹介しました。

Common Flowers Trilogy / White Out

BCL「Common Flowers / Flower Commons」

サントリーフラワーズ社が遺伝子組み換えによって作り出し、販売を始めた青いカーネーション。この花に植物細胞培養で根を与え、自然界で自生させるプロジェクトが《Common Flowers / Flower Commons》です。さらに、その人工的に作られた青いカーネーションに再び遺伝子組み換えを施し、人工的に白へと戻す試み《Common Flowers / White Out》が続きます。

遺伝子組み換えによって新たに作られた生命を一企業の商品として占有していいのか、その「命」は誰の所有物なのか。青いカーネーションを自然に咲く「普通の花」に戻すことを通じて、福原さんはそのような問いかけを行いました。

Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊

BCL + Semitransparent Design 《Ghost in the Cell》

生と死、生きているとは、死んでいるとは何か。心臓が動いていれば、ものを食べていれば、子孫を作れば、成長すれば、それは生きていると言えるのか。

「Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊」は、そうした問いに基づいて、VOCALOIDのキャラクターとして知られる「初音ミク」に遺伝子と細胞を与えるプロジェクトです。

「hmDNA」と呼ばれたこのプロジェクトは、インターネット上でユーザー同士が協力しながら、初音ミクの外見的特徴(「緑の目」や「明るい肌の色」など)を記したDNA配列データを作り、それを組み込まれたiPS細胞から心筋細胞を作り出すというもの。

2015年から2016年にかけて行われた展示では、全国各地から多くのファンがこの「初音ミク」のためにはるばる美術館を訪れ、中には何時間もこの細胞の前で立ち尽くす人もいたそうです。

Biopresence

BCL「Biopresence」

故人の皮膚から採取したDNAを木の遺伝子の中に保存することで、成長したその木が「生きた墓標」に変わる「Biopresence」。これまで、この写真のように木を抱く人はTree Hugger(木を抱く人)と呼ばれ、その行為は環境保護への意志を表すとされてきました。BiopresenceはTree Huggerに「死んだ祖母を偲ぶ人」という新しい意味を与えるかもしれません。

木の隅々の細胞まで故人の遺伝子が行き渡ることで、当然その木になるリンゴの実も故人の遺伝子を持つことになります。あなたは死んだ祖母の遺伝子を保持しているリンゴを食べる時、何を思いますか?ヨーロッパではこのリンゴを食べたくないと答える人が多いそうです。

BLP-2000D:ブラックリストプリンター

パンデミックを起こす危険性があるとしてブラックリストに登録されているウィルスのDNA配列(ゲノム解析の結果がオンラインで公開されている)をプリントアウトしていく作品。写真後方の注射器に装填されたアミノ酸がインクとなり、紙にウィルスの設計図を刻み続けていく。

紙自体はウィルスを伝染させることがない一方で、どこか危険な香りを感じさせます。実際、悪意のある人がその気になれば、この紙の印字をもとにウィルスを復元することができますが、そもそも印刷されたデータはオンラインで公開されているものであり……。現在のバイオテクノロジーに関する倫理観を問う作品です。

More Questions More Explorations

DIY(Do-It-Yourself)バイオをやり続けてきた福原さんは、アーティストの孤独に向き合い続けてきました。そうした活動の中で始めたのが、他者との共同を掲げたDIWO(Do-It-With-Others)。

多くの人を巻き込みながら、福原さんはアーティストとして作品を通じて問い続けてきました。さらに、問うて終わるのではなく、その問いに対して議論をすることが、アートにおいて何よりも大事だと福原さんは強調します。

問いを投げ、議論を巻き起こし、多くの人がそれぞれの多様な答えを出し合う「探求(Exploration)」を推進することで、みんなの箱を開けていく。Inside Out of Box。福原さんのそうした活動に加わり、多様な問いに、多様な議論と、多様な答えを出し続けていきたいと思わせる講演でした。

福原さんにとって「現実とは」

湧き上がってくる何か。

福原さんはそのように語り、イベントを締めくくりました。

 

【イベントレポ】2021/1/21 レクチャーシリーズ Vol.8:暦本純一先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第8回となる今回は、2021年1月21日、研究者の暦本純一さんをお迎えしました。後半のパネルディスカッションでは、スペシャルゲストとして、ユカイ工学の青木俊介さんにも議論に加わっていただきました。

本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

https://reality-science008.peatix.com/?lang=ja

現実科学とは

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現実科学ラボ・レクチャーシリーズは、デジタルハリウッド大学さまの提供でお届けしています。

暦本純一さん

 

 

 

 

 

 

 

情報科学者。東京大学情報学環教授、ソニーコンピュータサイエンス研究所フェロー・副所長、ソニーCSL京都ディレクター。世界初のモバイルAR(拡張現実)システムNaviCamを1990年代に試作、マルチタッチの基礎研究を世界に先駆けて行うなど常に時代を先導する研究活動を展開している。現在は、Human Augmentaion(人間拡張)をテーマに、人間とAIの能力がネットワークを越えて相互接続・進化していく未来社会ビジョン Internet of Abilities (IoA)の具現化を行っている。iF Interaction Design Award(2000)、日本文化デザイン賞(2003)、日経BP技術賞(2008), 日本ソフトウェア科学会基礎科学賞(2014), ACM UIST Lasting Impact Award(2014, 2017)などを受賞。2007年にACM SIGCHI Academyに選出される。
近著に「妄想する頭 思考する手」(祥伝社)。

青木俊介さん

 

 

 

 

 

 


東京大学工学部在学中に、チームラボ株式会社を設立、CTOに就任。 その後、ピクシブ株式会社のCTOを務めたのち、ロボティクスベンチャー「ユカイ工学」を設立。「ロボティクスで世界をユカイに」というビジョンのもと家庭向けロボット製品を数多く手がける。 2014年、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」を発表。2017年、しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo」を発表。 2015 年よりグッドデザイン賞審査委員。

人間拡張 / Human Augmentation

 

暦本さんは、人間と一体化して能力を拡張させるテクノロジーを開拓する「ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)」というコンセプトを提唱し、研究を進めています。

 

 

 

 

 

 

暦本さんはまず、人間拡張研究の事例を紹介しました。

Naoki Kimura, Michinari Kono, Jun Rekimoto. SottoVoce: An Ultrasound Imaging-Based Silent Speech Interaction Using Deep Neural Networks, ACM CHI 2019

超音波エコーで口内の動きをセンシングし、その動きを機械学習で推定することで、声を発することなくコンピュータに言いたいことを伝えることができる「SottoVoce」

Sidney Fels and Geoffrey Hinton. 1995. Glove-TalkII: an adaptive gesture-to-formant interface. In Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI ’95).

手を使って「しゃべる」ことができる「Glove Talk II」

さながら映画「マトリックス」で能力を「ダウンロード」するトリニティーのように、人は既にコンピュータと一体となりつつあります。AirPodsはそのポピュラーな一例。AirPodsのマイクは骨伝導音声を使ってノイズ除去をしているため、いわば「人間と一体化しないと意味がないデバイス」なのです。人とコンピュータが融合された状態を、暦本さんは脳の外側に電脳皮質(Cybercorttex)が形成されたようなものと例えます。

 

 

 

 

 

 

 

さらに、このようにテクノロジーが人間を拡張すると同時に、人間がテクノロジーに「合わせる」ようになる場合も。

 

 

 

 

 

 

 

SottoVoceを練習する暦本さん。コンピュータが人に情報を提示し、人はその情報をもとに行動を決定する。近年では、コンピュータなしでは成立しないような行動もある。この時コンピュータは、既に人間の身体の一部になっていると捉えることもできるのです。

現実を編集する

 

 

 

 

 

 

 

https://dl.acm.org/doi/10.1145/2832932.2832950

Kei Nitta, Keita Higuchi, Yuichi Tadokoro, and Jun Rekimoto. 2015. Shepherd pass: ability tuning for augmented sports using ball-shaped quadcopter. In Proceedings of the 12th International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology (ACE ’15). 

暦本さんの話は、人間拡張から現実の編集へ移りました。こちらはドローンを用いてボールに働く見かけの物理法則を変化させることができる「Shepherd pass」。コンセプト検証の段階ではあるものの、例えば初心者にはゆっくり、上級者には高速で飛んでいくボールや、絶対にキャッチされないボールを実現することができます。

Xinlei Zhang, Takashi Miyaki, and Jun Rekimoto. 2020. WithYou: Automated Adaptive Speech Tutoring With Context-Dependent Speech Recognition. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI ’20).

これは、喋り手に合わせてスピードを自動で変えてくれるシャドウイング(英語音声に追従して音読するトレーニング)ソフトウェア「WithYou」。WithYouは、練習者の技能に合わせた「現実歪曲空間」を実現していると捉えることができます。コンピュータを通じた時間的体験の操作は、いわば現実を編集する技術なのです。

Virtual Reality

暦本さんは、現在普及しつつあるヘッドセットを中心とした視聴覚のVirtual Reality技術で実現できるのは、あくまでもお約束としての「現実」であると指摘します。本来の「自然な」現実はもっと豊かな情報を持っている。

例えば5Gが登場した際に、8K画質で鮎の映像を送れたとしても、味や食感が伝わってこない限りは料理体験としては不十分です。リアルの良さ、デジタルの良さ、それぞれをきちんと理解し、目的に応じて両者をうまく使い分けていく必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

そういった指摘の一方で、「自然」とは一体何なのでしょうか?その問の端緒になるとして挙げられたのが、LURRA° Kyotoで提供された鮎料理。料理人による極めて緻密な作り込みがなされていた鮎は「リアル(天然)だけれど非日常的」だったと暦本さんは語ります。

私たちの現実には、例えば長時間の満員電車で通勤したオフィスで電子メールを作成するなど、つらいRealを経て実質的にCyberな業務を行っていると見ることもできます。このようなRealとCyberが変に絡み合っている状況に対して、暦本さんは「CyberでできることをわざわざRealでやる必要はなく、その逆もまた然り」と述べました。

暦本さんにとっての「現実とは」

「究極的には自分で定義できるもの」

そう言って暦本さんは講演を締めくくりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講演終了後、青木さんを迎えて3人でのパネルディスカッションが行われました。

【イベントレポ】2020/12/12 レクチャーシリーズ Vol.7:養老孟司先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第7回となる今回は、2020年12月12日、研究者の養老孟司さんをお迎えしました。

本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

https://reality-science007.peatix.com/?lang=ja

現実科学とは

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現実科学ラボ・レクチャーシリーズは、デジタルハリウッド大学さまの提供でお届けしています。

養老孟司さん

 

 

 

 

 

 

 

1937(昭和12)年、神奈川県鎌倉市生まれ。1962年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年東京大学医学部教授を退官し、東京大学名誉教授に。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)『形を読む』『解剖学教室へようこそ』『日本人の身体観』『唯脳論』『バカの壁』『「自分」の壁』『養老孟司の大言論Ⅰ~Ⅲ』『身体巡礼』『骸骨巡礼』『遺言。』など多数。昆虫を通して生命世界を読み解きつつ、「身体の喪失」から来る社会の変化について思索を続けている。(写真:新潮社)

「その人の行動を変えるものがその人にとっての現実」

養老:僕は競馬の馬券を見たことがありません。たとえそれが落ちていてもきっと拾わないでしょう。けれども僕は虫が好きだから、虫が歩いているのを発見したら必ず立ち止まって正体を確かめる。このように、その人の行動に影響を与えるものこそ、その人にとっての実在であり、現実であると僕は思います。

現実は脳が作っている、というのは恐らく間違いない。では、脳の中のどこかに「現実感」を与える機能を持った場所はあるのでしょうか?これは「意識」の問題にも通じている気がします。

例えば離人症(自分が自分ではないと感じる症状)は、この問題に通じているかもしれない。離人症になると、まるで羊水の中に浸かっているように、あらゆる刺激がフィルターを一枚挟んで感じられるようになるとされています。このような「現実感がなくなってしまった症状」を解明できれば、その裏返しとして、脳の側から現実というものに迫れるかもしれません。

金井:現実と意識はどういった関係にあると思われますか?

養老:どちらも非常に近いもののように思えますね。

藤井:現実感は強いのに意識がはっきりとしていない、もしくはその逆の状態は何か考えられるでしょうか。

養老:夢遊病は、現実感は強いのに意識がはっきりとしていない一例かもしれません。そして意識ははっきりとしているのに現実感がないのが離人症だと解釈することもできそうですね。

藤井:自然には存在していなかった「現実」を人間が自分たちで作ってしまったことの筆頭が、「お金」ですね。他にも例えば、「宇宙人にさらわれて脳を手術された!」と言う人は、宇宙人という概念が誕生する前はいなかったわけで、そうした発言は「宇宙人」なるものが世の中で定義されて初めて成り立つ世界理解の仕方だよなと思います。

抽象化の極限としての神

藤井:世界理解という話で言えば、養老先生は「神」というものをどのように解釈しているのですか?

養老:人は、多様な感覚入力から整理された概念を作ります。例えば、木になる赤い球体を観察してりんごと名付け、大きいりんご、小さいりんご、切ったりんごなどのバラエティを全て「りんご」と分類できるようになります。

さらにそこにナシやブドウが出てくると、りんごの一つ上の概念、「果物」で以ってそれらを結びます。そうやってどんどん分類の抽象化を行なっていくと、最後には一つになるはずです。宇宙のあらゆるもの全てを包含した、一つの「何か」に行き着きます。唯一絶対の神は、そのような存在ではないでしょうか。

藤井:なるほど、抽象化の究極は一つにまとまらなければいけない!

養老:神についてこのように考えると、その裏側には階層性が見え隠れしているような気がします。人の思考が階層性を持っているのは、言語のせいかもしれませんね。例えば英語は、アルファベットを先頭から末尾にかけて並べることで単語を作るという階層性を持っています。一つ一つの文字が意味を持っているわけではない。しかもその中には、dogの文字を入れ替えるとgodになってしまうなどという極端な階層性まで入っている。

藤井:階層性……分類。分類することは、すなわち理解することですよね。世界にある多様なものを、抽象化せず、多様なままで理解する方法はあるんでしょうか?

養老:それは非常に難しいと思います。いつも、何かを概念化しても、新しい様々な材料を集めてきてそれを見直すとガラガラと崩れてしまう。具体と抽象を行ったり来たり、その繰り返しですね。

感覚と概念

養老:脳と外界をつなぐのが感覚ですよね。僕は最近、感覚と抽象化された概念は何が違うんだろうと考えています。そこで思ったのは、感覚は異なるもの、差分を認知する一方で、概念は異なるもの同士を統合、同じにする。

数はその典型です。うさぎだろうが犬だろうが、1匹は1匹であり、こうした考えは万物に共通です。そこでふと、この「同じにする」能力は人間にしかないのではないか、人間の意識の特徴なのではないかと思いました。

そして動物が言葉を作れないのは、感覚による差分、細部に密着してしまい、「違い」だけで生きているからなのではないか。それと引き換えに彼ら動物は感覚が鋭敏なのではないか。

金井:先生は、人が抽象化した概念の中だけで生きることに対して批判的な立場を取られていると思うのですが、感覚と概念にはどのように折り合いをつけたらいいんでしょうか?

養老:グローバリゼーションはその典型かもしれませんが、コントロールしやすいように頭の中だけで世界を作ると、コントロールできないものが出来上がってしまう危険性があります。綺麗に一元化した世界を組み立ててしまうと、不測の事態が起きた時に簡単に壊れてしまう。そういう意味で、日常的に感覚的なものに触れるような経験は必要と思います。感覚的なものに触れることを通じて、絶えず頭の中の概念を訂正するんです。

養老先生にとっての「現実とは」

あなたを動かすもの。

この養老さんの言葉を以って、イベントは締めくくられました。

【イベントレポ】2020/11/24 レクチャーシリーズ Vol.6:豊田啓介先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第6回となる今回は、2020年11月24日、建築家の豊田啓介さんをお迎えしました。さらにスペシャルゲストとして、株式会社imaCEOの三浦亜美さんにも議論に加わっていただきました。

本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

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現実科学とは

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現実科学ラボ・レクチャーシリーズは、デジタルハリウッド大学さまの提供でお届けしています。

豊田啓介さん

 

 

 

 

建築家 noizパートナー、gluonパートナー、東京大学生産技術研究所客員教授

1972年、千葉県出身。1996年、東京大学工学部建築学科卒業。1996~2000年、安dd藤忠雄建築研究所を経て、2002年コロンビア大学建築学部修士課程(AAD)修了。2002~2006年、SHoP Architects(ニューヨーク)を経て、2007年より東京と台北をベースに建築デザイン事務所 noiz を蔡佳萱と設立、2016年に酒井康介が加わり共同主宰。2017年、「建築・都市×テック×ビジネス」をテーマにした領域横断型プラットフォーム gluonを金田充弘と共同で設立。コンピューテーショナルデザインを積極的に取り入れた設計・開発・リサーチ・コンサルティング等の活動を、 建築やインテリア、都市、ファッションなど、多分野横断型で展開している。現在、東京藝術大学アートメディアセンター非常勤講師、慶應義塾大学SFC非常勤講師、芸術情報大学院大学 (IAMAS)非常勤講師、東京大学生産技術研究所客員教授(2020年~)。「WIRED Audi INNOVATION AWAED 2016」受賞イノヴェイター。2025年大阪・関西国際博覧会 誘致会場計画 アドバイザー(2017年~2018年)。著書に「Rhinoceros+Grasshopper 建築デザイン実践ハン ドブック」(共著、2010年、彰国社)など。

三浦亜美さん

 

 

 

 

 

株式会社ima 代表取締役CEO
学生時代に事業を立ち上げ、その後、単身でバックパッカーとして世界を回る。帰国後は株式会社サンブリッジというベンチャーキャピタル(VC)で海外クラウドサービスの日本法人立ち上げや、インキュベーション施設の立ち上げなどを行う。
2013年、株式会社imaを創業。日本酒、伝統工芸品、ユニークな技術などに最新のテクノロジーやVCでの知見を持ち込み、事業継承の仕組みをつくる。2016年、一般社団法人awa酒協会を設立。2017年、つくば市まちづくりアドバイザーに就任。2020年、スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム アドバイザーに就任。
AIを活用したプロジェクトでは、日本酒の酒造りにおける匠の技をAIでサポートしながら技術継承にも寄与する「AI-sake」やAIによるアートの創造「AI-Mural」の実績をもつ。

情報と物質

豊田さんはまず、自身の関わったプロジェクトを例に挙げながら、情報と物質の関わりについて紹介しました。

ファンが、フレキシブルなLEDディスプレイディスプレイをのれんのように吹き上げると、映像も風をうけているように吹き飛んでいく「BAO BAO ISSEY MIYAKE GINZA MATSUYA Display」。情報と物質という連動するはずのないものが、あたかも直接影響を与え合っているような表現を通して、それぞれの存在をあらためて問い直す展示。

畳を製作する上での材料の規格や製法、ヴォロノイ図の幾何学的な規則をアルゴリズムに落とし込んだ「Tatami Generator β」によって、世界に一つだけのパターンをその都度生成するヴォロノイ畳《TESSE》。形状や畳の目の向き、天然素材ならではの色の変化を自在に組み替え好みに応じた個別生産が実現できる。

このように、二項対立で語られやすい情報と物質の二者間の境界は、テクノロジーによって徐々に曖昧になりつつあります。そして情報と物質が相互作用するような世界では、情報と物質がそれぞれに閉じたものだと考える従来のやり方を超えてアセットを活用できると豊田さんは語ります。

例えば建築の領域でも、BIMデータをはじめとする様々な「情報」が物質ベースの作業工程に導入されつつあるものの、それらの用途はあくまでも設計と施工に閉じており、豊かな階層を持ったメタデータが十分に(例えば企画や運用などに)活用されていない状況なのだそうです。こうした様々な「情報」を汎用化した基盤を、豊田さんは「コモングラウンド」と呼びます。

Expanded Dimension of Architecture

credit; noiz
https://noizarchitects.com/archives/works/diagram

Diagram for Expanded Dimension of Architectureと題されたこの図は、右下の建築家(architect)が右上の建築物(BUILDING)を創造するプロセスを示し、建築という営みに関わる様々な次元が可視化されています。

図面や模型は建築において重要なイメージの伝達方法ですが、しかしそれでも建築家が思い描いた理想から様々な情報が抜け落ちてしまいます。静的な、物としての建築(BUILDING)も重要なインターフェースではあるものの、実はその外側に、より広い情報的総体としての建築があるのだと豊田さんは語ります。この建築の情報的側面について、我々はまだ上手い扱い方も、価値化の仕方も十分に知らない状況にあります。

コモングラウンド

 

他方、近年では実環境から情報を抽出するセンシング技術や、センシングに基づいた制御技術も目覚ましい進歩を遂げています。例えば、映画におけるドラゴンのアニメーションを俳優の動きを元に生成したり、筋電を元に義手を制御したりなど。

豊田さんは、物理世界と情報の相互作用が当たり前になると、物(例えば身体)そのもののあり方も再考する必要が出てくると語ります。腕は2本でなくてもいいかもしれない、肩についていてもいいかもしれない、ドアの横についていてもいいかもしれない、未来のドアマンは10本のドアの横の手を制御する仕事をしているかもしれない……。そのような世界では、どこまでが身体でどこからが環境なのかが極めて曖昧になっていることでしょう。

建築家は、今まさに情報技術が変革する「あたりまえ」を理解し、数年後にできる建物や数十年後にできる都市計画などに反映させなければいけない。建築物が自分の身体性を持っている自律エージェントのようなもので、我々の身体の一部を担うような世界では、どのようなセンシングを、制御を、プラットフォームを構築する必要があるのか。

 

例えば視点一つとっても、体外離脱した視点から自己を眺める、他人の視点に「乗り移る」など、身体と環境が一体となった新しい身体性が実現する可能性があります。こうした体験を建築の側から実現するためにはどのようなサポートをするべきなのでしょうか。

 

豊田さんはそういった世界が実現した際に、物質環境と情報環境をシームレスに接続するためのプラットフォームとして「コモングラウンド」を提唱しています。物質世界とデジタル世界はそれぞれで高度なプラットフォームが整備されていますが、例えば物質環境の情報をデジタルエージェントにとって理解しやすい形に整備するなど、物と情報のつなぎ目を担うのがコモングラウンドです。物質会場だけではない、バーチャル会場だけでもない、両者が接続されるコモングラウンドを整備することは、今後喫緊の課題になると考えられます。

豊田さんは現在、2025年の大阪万博を舞台として、そうした情報都市の構築について模索しているそうです。

豊田さんにとっての「現実とは」

現実というと、「拡散した色々な選択肢の中にある、掴みどころのあるもの」といったイメージを持たれがちですが、僕にとっては、むしろ現実の方が拡散するイメージです。扱いきれない、理解しきれない、無限の選択肢の集合体。そして建築家は、現実は完全には扱いきれないという前提に立った上で、どこを扱えるものとして切り取ってくるかという発想をしているのではないかと思います。

豊田さんはこのように語って、講演を締めくくりました。

 

講演終了後、三浦さんを迎え、3人でのパネルディスカッションが行われました。

【イベントレポ】2020/10/20 レクチャーシリーズ Vol.5:坂口恭平先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第5回となる今回は、2020年10月20日、建築家、作家、アーティストの坂口恭平さんをお迎えしました。さらにスペシャルゲストとして、バイオアーティストである福原志保さんにも議論に加わっていただきました。

本記事では、当日の簡単なレポートをお届けします。

https://reality-science005.peatix.com/?lang=ja

現実科学とは

坂口恭平さん

1978年、熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年に路上生活者の住居を撮影した写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。以降、ルポルタージュ、小説、思想書、画集、料理書など多岐にわたるジャンルの書籍、そして音楽などを発表している。2011年5月10日には、福島第一原子力発電所事故後の政府の対応に疑問を抱き、自ら新政府初代内閣総理大臣を名乗り、新政府を樹立した。躁鬱病であることを公言し、希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続けている。近刊に『建設現場』(みすず書房)、『cook』(晶文社)、『まとまらない人』(リトルモア)など多数。

砂の声

幼少の頃、福岡県にある電電公社の社宅に住んでいました。少し離れたところには漁師町がありました。団地と漁師町の間に、何か境界があるように感じられました。漁師町へ続く道は砂利なのですが、社宅の団地はコンクリートで整えられていました。植栽も整えられていました。

団地のコンクリートから砂利道へ一歩踏み出すと、ホームから離れた不安感のような感覚とともに、土の上で生きる人としての歓びが確かにありました。

4、5歳の頃の僕は、ウスバカゲロウの幼虫である蟻地獄が好きでした。しかし蟻地獄は、少し離れた白浜の方の砂にはいるのに、うちの団地にはいなかった。何で同じ砂なのに、蟻地獄は片方にしかいないのか?それを調べるために僕がエビデンスとしたのは「声」でした。人ではない、砂の声です。当時の僕は、人と同じように、砂の声を聞いていたのです。

砂は「私たちは別のところから運ばれてきたのです。」とすすり泣いていました。その時、僕は「ここ」にある砂や石を、無闇に、人の勝手な思いつきで別のところへ持って行ってはいけないのだと強く感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今になっても僕はどうしても、資本主義だとか、米国の企業がどうとか、そういう話がうまく頭に入ってこないのです。それよりも砂と対話することの方がずっと自然に感じるのです。そういうわけで僕は最近、畑を始めました。

畑を始めたその時、砂が「Welcome back」と僕に語りかけてきました。記憶なのか、妄想なのか、夢なのか、現実なのか、もはや何だったのかわからないけれど、確かにその声を聞いたのです。

思えば土というのは、僕にとって常に大きな問題として現れてきました。

なぜ土地を所有して「良い」のか?

思えば高校生の時も、先生に「なぜ土地を所有していいのか?」と質問をして困らせていました。先生は「それは税金を払うためであり……」と近代資本主義のようなのことを僕に植え付けようとしてきますが、依然として僕には全く分かりませんでした。

猫にも風にも、土地を「所有する」という観念はないのに、なぜ人間だけが土地を所有していいんでしょうか?どんな法律を探しても、土地の所有を人間に許可するような証拠は見当たりません。

そんな根本の原理が成立していない以上、僕は建築をすることができませんでした。周りの人たちは当たり前のように「土地を所有する」という現実を生きているけれども、僕にはそれは現実ではないように思われるのです。

現実なんて、ない。自然を所有することは、できない。みんなが勝手に現実だと思い込んでいるものは、ハリボテに過ぎない。現実が「生音」だとすると、多くの人は周波数がカットされ、加工された後のmp3を現実(生音)だと思い込んでいるように感じます。本当は生音となる周波数の波がそこら中にあるのだから、加工することなしにそのまま受け取ることはできないのでしょうか。

茄子が救った女の子

僕は「いのっちの電話」という、死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービスを、2012年から無料でやっています。本家となる「いのちの電話」がほとんどつながらないという現状を知って、一人で勝手にはじめました。

ある日、19歳の女の子から電話がかかってきました。僕は、「最後に俺のお願いを聞いてくれないか」と彼女に言いました。

「まず、お母さんは家庭菜園とかやってない?」

「やってます」

「いいね、今生存率がグッと上がったぞ。畝の中に、両手を手首まで入れて、30分過ごしてからまた電話してくれる?」

そういって電話を切ると、30分後にまた電話がかかってきました。

「やってきました。何も変わりませんでした、もう死んでいいですか?」

「今のは挨拶だから。畝に手を入れるっていうのは、畝の心の中に手を入れるようなもので、これで向こう(畝)は君の手の匂いを感じた。次にお前が近づいたら、声を放つから聞いてみてほしい。家庭菜園では何を育ててるんだっけ?」

「茄子です」

「その茄子さんに聞いてみろ。私はどうやったら死ねますか?って」

そこで電話をまた切りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2分後、再び電話がかかってきました。

「どう声、聞こえた?」と尋ねると、「はい」という返事!

「茄子はなんて言ってたの?」と尋ねたら彼女はこう言いました。

 

「今じゃないんじゃない?」

 

茄子、グッジョブ!

本当に聞こえたのかと確認をすると彼女は本当に聞こえたと言うのです。

こういったことが、僕の現実には起きます。

坂口さんにとっての「現実とは?」

現実なんてものは、ない!

 

おわりに

スライドを全く使わない、淀みのないトークは、この後もしばらく続きました。トークの終了後にはバイオアーティストの福原志保さんにも加わっていただき、自由なパネルティスカッションを行いました。

【イベントレポ】2020/9/30レクチャーシリーズ Vol.4:市原えつこ先生

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第4回となる今回は、2020年9月30日、メディアアーティストの市原えつこさんをお迎えしました。さらにスペシャルゲストとして、デジタルハリウッド大学学長である杉山知之さんにも議論に加わっていただきました。

本記事では、イベント当日のレポートをお届けします。

https://reality-science004.peatix.com/?lang=ja

 

 

 

今回のゲスト:市原えつこさん

メディアアーティスト、妄想インベンター

Yahoo! JAPANでデザイナーとして勤務後、2016年に独立。「デジタル・シャーマニズム」をテーマに、日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性と、日本文化に対する独特のデザインから、国内外から招聘され世界中の多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、アルスエレクトロニカInteractive Art+部門 栄誉賞ほか多数受賞。2025大阪・関西万博「日本館基本構想ワークショップ」に有識者として参画。コロナ禍では外出自粛中に海外旅行を疑似体験するための趣味「自宅フライト」が日本や中国、台湾などのメディアで話題に。

Web: http://etsuko-ichihara.com/

Twitter: https://twitter.com/etsuko_ichihara

制作から学んだ #現実とは

市原さんはこれまで、妄想インベンターとして様々な作品を発表してきました。代表作の一つである『セクハラ・インターフェース』は、大根を撫でると艶かしく喘ぐデバイス。日本人が潜在的に持つエロに関する豊かなイマジネーションに、日本人特有のデバイスへのフェチズムを融合する試みとして反響を呼びました。

セクハラ・インターフェース(喘ぐ大根) / Sekuhara Interface

『セクハラ・インターフェース』に、現在の視界に過去の映像を混合することができるSRシステム(代替現実システム)を組み合わせることで、妄想と現実を代替するシステムも開発されています。

妄想と現実を代替するシステム SRxSI

こうした試みを通じて市原さんは、人の脳のあやふやさ、騙されやすさを感じたと語ります。視聴覚だけでなく、触覚、嗅覚も合わせて提示することでリアリティを高めることができます。

ここで興味深い点は、たとえ自分の置かれている状況(VR体験をしている)に気がついていたとしても、あえて虚構に飲まれにいくような体験者がいたことです。体験者はみんな、目の前にあるのが「本当は」大根であることを理解しつつも、それがお姉さんであると信じようとしていたのとか。

「現実」というものは本人の意思次第で主体的に変化させることができるのかもしれません。

誰かを失った人にとっての #現実とは に介入する

次に紹介されたのは、遺族の死後、49日間だけ一緒にいてくれるロボットでした。(もういなくなってしまった)その人の「存在感」を現実に再現する方法を探究したプロジェクトです。着想の原点は、ちょうどその時期に、他ならぬ市原さん自身が経験した祖母の死だそうです。

Pepperを用いて制作した最初のプロトタイプは、Pepperに備え付けのタブレット端末に遺影を表示しながら、その人にまつわるメッセージを伝えてくれるシステム。汎用性・実用性を目指して開発したものの、「これじゃない感」が凄まじかったそうです。

最終的には、3Dスキャンした顔をPepperに被せ、事前に記録した声や動きを再生する手法が採用されました。

Digital Shaman Project / デジタルシャーマン・プロジェクト

デジタルシャーマン・プロジェクトを通して、市原さんは現実感を編集できる手応えを感じたそうです。しかしその一方で、ずっと虚構に依存してしまったら、それは「喪の失敗」であるとも語りました。

近年、紅白歌合戦に出演したAI美空ひばりや、亡くなってしまった子供と「再会」するVR体験など、現実に虚構が介入するようなテクノロジーが度々話題に上がります。これに対して市原さんは、「虚構が介入する現実」との健全な付き合い方について、ガイドラインをきちんと整備する必要があることを指摘しました。

社会生活で学んだ #現実とは

続いて話題は、市原さんが社会生活で感じてきた「現実」へ移りました。

市原さんは小学生の頃、書き初めで「平凡」と記すほどに、平凡に対する憧れを抱いていたそうです。大学生になっても、大学を卒業しても、社会や現実というものを「完璧なマトモな常人の群れ」として漠然と畏怖していたと語ります。

普通、標準、人並、そういったものになりたい≒現実に適合したいという強迫観念を抱えたまま社会生活に突入しました。しかし、「社畜」生活を続ける中で、市原さんはその正しさを信じようとしながらも、生きづらさを感じはじめます。そして下積みや気遣いで息苦しい生活のストレス発散・現実逃避として、メディアアーティストとしての作品制作がスタート。

そんなある日、市原さんは「現実に無理やり合わせるより、現実をコントロールした方が生きやすいのでは?」と思うようになりました。アートはその創作者が「世界をどのように認知しているか」が反映されたものです。市原さんはそんなアートを社会に対して投げかけることで、自分の周りの「現実」に介入できるのではないかと考えました。

「そうした活動の中で、まるで虚構新聞のようなニュースを量産することができた」

 

自ら発信を続けていく中で市原さんは、徐々に自身の狂気や変態性に価値が宿っていくのだと気付きました。さらに、多くの人と関わる中で、実はみんなそれぞれの狂気や変態性を抱えており、社会は隠れた狂人たちの集合体で成り立っているのが分かったのだそうです。

それゆえ、自分の狂気が他人の狂気と共鳴することで、コミュニティや経済圏が発生することがあります。市原さんは、自分が生きやすい現実を作るために、こうした「現実の書き換え活動」はおすすめだと語りました。

祝祭・日本人と #現実とは

市原さんの近年の活動の一つに、「仮想通貨奉納祭」があります。

 

人間の狂気が去勢される現実社会の中で、人間が元来持つ暴力性が平和に表出するのが奇祭なのではないか?そうした考えを持った市原さんは、現実の都市空間の中に異空間や奇妙な磁場を発生させる試みとしてこのプロジェクトを始めました。

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こうした物理空間での祝祭体験は、昨今のコロナ禍により実現が難しくなっています。これに対して市原さんは、能や枯山水という見立ての文化に親しんだ日本人ならば、「脳内AR」によって各々が想像により補完する新たな祝祭体験が創出できるかもしれないと語ります。

コロナ禍の #現実とは

そして市原さんは2020年7月、無性に「機内食を食べながら映画を見たい」という渇望に襲われることになります。

これに端を発し、#自宅フライト という試みが始まりました。自宅にあるもので機内食を再現するこの「遊び」は、SNSで話題を呼びムーブメントを生み出しました。

 

 

#自宅フライト を通して市原さんは、自分の「現実」にとって最も重要な感覚や要素は何かを考えたそうです。例えば旅行に行った際、市原さんは味覚体験を重視し、移動という行為そのものを好む一方で、一緒に行った友人は視覚体験を重視し、味覚体験にそこまで重きを置いていなかったという体験があげられました。

このように、人の数だけ「現実」というものがあります。自分にとって大事な「現実」の要素に注意を払い、それぞれの「現実」をDIYしていきましょうと語り、市原さんは講演を締め括りました。

アフタートーク

講演後、主催者である藤井直敬とデジタルハリウッド大学学長の杉山知之さんが加わり、3人でのパネルディスカッションが行われました。