【イベントレポ】現実科学ラボ・レクチャーシリーズVol.2:株式会社エクシヴィ GOROmanさんと考える「現実とは?」

現実科学ラボでは、各分野で活躍している専門家とともに「現実とは?」について考えていくレクチャーシリーズを2020年6月より毎月開催しています。

第二回となる今回は、2020年7月27日、株式会社エクシヴィ 代表取締役社長で、日本にVRを広めた仕掛け人とも言えるGOROman(近藤義仁)さんをお迎えしました。さらにスペシャルゲストとして、前回の登壇者である東京大学 稲見昌彦教授にも議論に加わっていただきました。

本記事では、当日のイベントレポートをお届けします。

https://reality-science002.peatix.com/?lang=ja

 

カメラやフィルターを次々に切り替え、様々な「顔」を見せるGOROmanさん。

現実科学とは

#1 現実逃避

GOROmanさんは3つの現実エピソードを披露してくださりました。一つ目は、現実逃避について自身が13年間運用しているTwitterアカウントの投稿で「現実」を含むものを検索した所、次のような発言が見つかったそうです。

 

 

中学生の頃、両親の離婚や転校による環境のリセットなどを経験し、「現実が辛くなってきた」とGOROmanさんは語ります。この頃、14歳になったGOROmanさんはパソコン通信をを独学し、「GORO-NET」というパソコン通信ホスト局を始めました。ハンドルネームは「GORO」、当時買っていた猫の名前です。

コンピューターにのめり込んでいったGOROmanさんは徐々に、「中学校に通っている自分」より、ネット上の「GORO」の方が活き活きと自分らしさを感じ始めます。それはさながら、異なるチャンネルに割り振られた二つのキャラクターを、ミキサーのように調整し、使い分け、時には片方をミュートしながら生きるような感覚だったそうです。

 

これに関して、GOROmanさんはサバイバル(さいとう・たかを)という漫画のワンシーンを紹介しました。

その中には、食糧がなく限界状態に陥った主人公は、仕方なく「これはうどんだ」と自分に言い聞かせながらミミズを食べるシーンがあります。このように、ストレスを超過しないために、適宜「現実」をミュートして自分に都合の良いように解釈するのが、GOROman流「うどん法」なのです。

#2 理想と現実

実はGOROmanさんは、2016年1月、昨今のバーチャルYoutuberブームに先駆けて、美少女キャラクターを使ったゲーム実況を試みていました。

これこそバーチャル!FaceRigとボイスチェンジャーで美少女キャラによるゲーム実況が実現

近年ではSnapchatなど、画像加工が当たり前になったカメラアプリが流行しています。画像の中の人類は幾つものフィルターを通った見た目となり、「本物」とは何かが問われ始めています。

アバターをはじめとする「フィルター」ごしのコミュニケーションが当然となった世界では、何が理想で何が現実なのか、改めて考える必要がありそうです。

#3 現実は不便

最後のエピソードは、「便利」をめぐる諸問題について。自動車が発明される前、移動手段としてまだ馬車が当たり前だった頃、人々は「もっと早い馬」を欲しがっていました。そもそも人々は、自動車のような乗り物がないことを不便だと感じたことがなかったからです。

これに対してGOROmanさんは、現実の「ペインポイント」(不便だと感じる所)を探すべきだと主張しました。さらに人は、一度「便利」を体験すると「不便」がストレスになるのではないか?と続けます。

VRで「便利」を次々と実現し、現実の方が「不便」だと感じてしまうようになった時、VRは当たり前となり社会に浸透していくのかもしれません。そのために、ペインポイントを見つけたら積極的に解決策を探っていきましょうと述べ、GOROmanさんは講演を締め括りました。

 

……

 

イベントの後半では、GOROmanさんの講演を受け、藤井さん、稲見さんを交えてのパネルディスカッションを行いました。さらにそれが終了した後は、イベントに出席していた現実科学ラボのメンバーを交えての「二次会」も地続きに繋がって行われました。

次回予告

第三回となる次回は8月20日、AR三兄弟 長男の川田十夢さんをお迎えしてお送りします。奮ってご参加ください。

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